中越沖地震報告


柏崎市東本町の福厳院様は本堂が全壊。

このたび、7.16中越沖地震によって大変な被害が発生したことはテレビ、新聞などでご承知のとおりです。 安住寺は幸いにして前回の地震の時よりは被害が少なくすみましたが、市街地では多くの家屋、寺院が倒壊しました。

地震直後、停電と断水の混乱の中で私たち寺院は、市の行政と連携をとり「曹洞宗現地対策本部」を設置し(柏崎市黒滝、竜雲寺)被害状況の把握、倒壊した寺院の瓦礫撤去から始めました。全国からも大勢のボランティアが参加してくれています。

それと同時進行で避難所に訪問して、お茶やお菓子、カキ氷を用意して被災した方々の心のケアに勤めているところです。お茶を飲んでもらいながらお話しを聞いてみると、今現在、被災地に何が必要か、どんなことに困っているか、みなさんが本音で語ってくださいます。これらの声は、今後の復興活動にとって大切な情報となるわけです。

この活動は行茶活動といって、その成果が市の行政にも認められ高く評価されました。


全国から多くのボランティアが参加。のべ1,000人ほど。(左は本山の修行僧)(右は東北福祉大の学生)

柏崎、刈羽地区はたいへんな被害を受けたわけで、復興には長い時間がかかることと思います。被害といってもそれは様々であり、家屋の被害はもちろんですが、観光産業などは、この夏は宿泊客の相次ぐキャンセルに悲鳴を上げているわけですから被害の無かった地域にさえも風評被害は深刻な問題です。

地震直後より寺を留守にして活動をつづけてきたため、檀信徒の皆様にたいへんご心配、ご迷惑をおかけいたしました。 猛暑の中、お盆がすぎて活動もひと段落し、ほっとしておりますが、まだまだ困っている方が大勢いるわけです。微力ながら少しでも力になれればと思い、勤めてまいります。

また、混乱の中で市内のお檀家さまのお宅にお見舞いのご挨拶にと訪問した時のこと、そのお宅は留守のようでしたが、かなりの被害であることは一目でわかります。 ふと見ると壁に張り紙があり、

飲み水あります  ご自由にどうぞ
    トイレも使えますから  土足でお入りください

と、書いてありました。
自宅が壊れているのに、人助けを優先し玄関を開け放しにして復興作業にでかけていた様です。
日本人の心とは素晴らしいな、と思います。なんとも言えない気持ちでしばらくその場を離れる事ができませんでした。
警察も消防も自衛隊も、多くの人が復興のために本当によくがんばっています。

最後に、今回の地震で亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げ、檀信徒の皆様にご報告とさせて頂きます。

安住寺

8月21日
サッカーの元日本代表監督(当時)、岡田武史氏から、「柏崎の子供たちのために力になりたい」との申し入れがあり、元日本代表選手、岩本輝雄氏と共に柏崎市鏡ヶ沖中学校グラウンドにてサッカー教室を開催。
集まったサッカーチーム150人は大喜びの一日となりました。
岡田監督と岩本選手。
ボランティアの皆さんと記念撮影。
(曹洞宗現地対策本部 柏崎市黒滝の竜雲寺にて)

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