安住寺だより

第44号

とても雪の少ない冬でした

「暖冬小雪の傾向」 長期予報のとおり、年末年始から二月三月と楽な冬を過ごしました。
寒波が来て広範囲で降雪の予報になっても不思議なほど豪雪地帯は小雪になるのです。
雪に慣れていない地域では四苦八苦されたようですが、「今年は雪が少なくて楽だなぁ」というのがあいさつ代わりでした。
しかし、いいことばかりではありません。
各地で雪まつりの開催が危ぶまれたほどで、高柳ガルルスキー場は2月いっぱいで営業を中止に。予定されていた第十四回ガルルスラローム大会も中止となってしまいました。
山に雪が積もらないと夏の水不足や、害虫が発生して困るのだとか。雪も自然の恵みなので小雪を喜んでばかりもいられないようです。



西ノ入地区「塞の神」

これも暖冬の影響でしょうか

ふつうは三月の終わりになってからでしょうか。よく晴れた朝には放射冷却現象により雪が固く凍って雪の上を歩けるようになりますよね。 昔から「しみわたり」と呼んでいました。

下の写真はまだ二月の半ばです。

気温の高い日が多かったため真冬の二月にしみわたりで保育園へ。子どもの頃を雪国で暮らした皆さんならきっと懐かしい思い出の一つではないでしょうか。田畑の上を自由に走り回って学校へ向かいましたよね。

「安住寺特設ゲレンデ」も小規模で運営。
いつもは立派な斜面にジャンプ台、かまくらなどが完成しますが本堂屋根下の積雪もこの程度でした。

カリカリ、サクサク雪の上を歩く不思議な感覚。
故郷を離れて暮らす皆さん覚えていますか?
子どもの頃の懐かしい思い出ですよね。

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降誕会(ごうたんえ)のお知らせ

お釈迦さまの誕生日を祝い、本堂に甘茶をご用意します。(4月8日が誕生日ですが、安住寺では月遅れの5月8日にお参りします)

小さな「花御堂」(はなみどう)のお釈迦さま「誕生仏」に頭上より甘茶をそそいで、誕生をお祝いします。
5月8日、お待ちしております。

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涅槃会(ねはんえ)だんごまき

お釈迦さまの命日、涅槃会(ねはんえ)だんごまき。その臨終の様子を描いた絵「涅槃図」を掛け、真っ白いだんごをお供えします。多くの人々が悲しみ、動物たちや小さな虫たち、猛獣や架空の生き物も集まり悲しんでいます。
普段は争い合う関係の生き物たちも、この時ばかりは皆一様にお釈迦さまを見つめています。

ところでこの中に猫の姿がないことをご存知でしたか?「毛づくろいをしていて間に合わなかった」「猫が大切な薬にいたずらをしたから」または「ネズミはお釈迦さまの使いで、そのネズミを食べてしまうから猫は描かないことになっている」など諸説あるようです。その為、普通はこの涅槃図に猫の姿はありません。

「涅槃図(ねはんず)」にだんごをお供えします。
法要のあとは「だんごまき」で大騒ぎ。みなさんまた来てくださいね


猫をさがしてみましょう
ところが安住寺に伝わる涅槃図には、かわいらしい猫が一匹います。なぜ猫が描いてあるかはわかりませんが、この絵を描いた絵師は猫好きだったのでしょうか? ぜひ探してみてくださいね。
日本各地で「猫がいる涅槃図」も確認されているようです。
動物たちの姿を観察してみるのもなかなか楽しいですよ。

お釈迦さま臨終の様子「涅槃図」に・・・
よく見ると普通はいないはずのネコの姿があります。絵師による単なる遊び心でしょうか? 
それとも自分の可愛がっていたネコの姿でしょうか? 
よく探してみてください。きっと見つかりますよ。
毎年3月の15日に近い日曜日を予定していますので、ぜひお参りください。

大騒ぎのだんごまき。
沢山のお米とあめ玉の寄付をありがとうございました。

まるで熟練した職人によるだんご作り。皆さん本当に上手です。

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護持会役員 交代のご報告

昨年、檀頭の小川孫宏さんから安住寺晋山式が無事成功した際、檀頭職を辞任したいと申し出がありました。かつて平成15年5月、ご開山五百回忌法要を成功に導かれた石塚 孝前檀頭さんのあとを引き継がれ、今日まで2度にわたる大地震など、困難な状況において寺の復興、諸行事など大変なご苦労をおかけしました。特に昨年の大法要を盛大に修行できましたのは、ご高齢にもかかわらず先頭に立っていただいた檀頭さんのおかげです。また副檀頭の小山貞雄さんと、村山貞和さん、佐藤 勝さんも、やはり同様に昨年より辞任の意を承っておりました。重ねて感謝を申し上げます。

なおこのたび小川さんの退任により、その後任として宮ノ下地区代表「小山 護さん」が新たに檀頭に就任されましたことをご報告いたします。

写真左:小川孫宏さん 小山貞雄さん誠にありがとうございました
写真右:新たに檀頭に就任された「小山 護さん」

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奈良の東大寺「お水取り」を参拝

東大寺の「お水取り」は、以前より一度はお参りしてみたいと思っており、昨年退董した記念にと参拝旅行に出かけました。華厳宗東大寺で古来より欠かさず行われている歴史ある行事で正確には「修二会(しゅにえ)」と言うそうです。 火の粉が舞うと無病息災がかなうとされ、大勢の参拝客が集まる壮大な儀式です。燃え盛るたいまつの炎には本当に驚きました。


火事ではありません。
燃え盛るたいまつから降り注ぐ火の粉を浴びに毎年大勢の参拝客が訪れる「修二会(しゅにえ)」
たいまつを灯し、「お香水」と呼ばれる水をくみ観音様にお供えするという、春を告げる儀式「お水取り」の様子

奈良県の東大寺二月堂で毎年行われる行事。正確には「修二会(しゅにえ)」という。例年3月1日から14日まで本行が行われ、終わるころには冬が明けていることから、春を告げる行事ともいわれる。奈良時代から続く伝統行事で、752年に始まって以来、途絶えたことがない。

お水取りは、東大寺を開山した良弁(ろうべん)の高弟、実忠が始めたとされている。旧暦の時代は2月1日から実施されていたため、2月に修する法会「修二会」と名付けられた。二月堂の名もこれに由来する。

人々に代わって罪を懺悔(さんげ)し、天下泰平や五穀豊穣を祈るこの大規模な行事は、まず行を執り行う11人の「練行衆(れんぎょうしゅう)」を決めるところから始まる。良弁の命日である12月16日に練行衆の発表があると、翌年2月20日に前行である別火(べっか)が始まり、練行衆は泊まりこみで本行の準備に当たる。そして3月1日、練行衆は行列を組んで二月堂へ向かい、本行が開始される。

本行中、練行衆は毎夜高さ約6メートルの巨大松明(たいまつ)に火をともし、二月堂へ入り深夜まで祈りをささげる。練行衆がお堂入りしたあと、燃えさかる松明は舞台の欄干に掲げられるが、これがお水取りの中で最も有名な「おたいまつ」と呼ばれる場面。降り落ちる火の粉が無病息災をもたらすと言われ、たくさんの参拝客が集まる。本行の見どころは12日深夜。籠松明(かごたいまつ)がたかれ、練行衆は祈りの合間に、二月堂下にある若狭井(わかさい)に水をくみにいく。これがいわゆるお水取りの儀式だ。くみあげた水は「香水」と呼ばれ、本尊である十一面観音に供えられる。

また本行が終了した15日には、行事に使われた金襴(きんらん)の帽子を幼児にかぶせる儀式が行われ、これをかぶせてもらうと健やかな子が育つと言われ、子供連れが大勢二月堂を訪れる。

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卒入学の季節ですね

この春、長男の一帆が小学校に入学します。

南鯖石保育園に5年間もお世話になりました。まだあどけない子ども達も保育園で様々なことを日々学び成長していきます。仲間と協力し目的を達成することも、年上の子が小さな子を心配して助けてあげることも。

また、畑で野菜を育て、収穫するという喜びも知りました。先生方の熱心さにはいつもながら本当に頭が下がります。

私が子どもの頃の同級生は40人程だったので、年上の組との思い出は特にありませんが、今は少子化が進んで様子が変わりました。

小規模の保育園では年上の子が小さい子達のお世話をしてあげるのです。これはとても大切な学習だと思います。各家庭において兄弟も少ないことを考えればなおさらのことでしょう。

年長組7人が卒園。
保育園で過ごした思い出は一生の宝物ですね

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第五中学校の卒業式にて

校舎の新築が間もなく始まる予定の第五中学校は現在、旧南鯖石小学校を仮の校舎として使っています。生徒数が減少する中で新たに校舎を作ることには、やはり賛否あったようですし、地元に住むものとしては複雑な思いです。(南鯖石小学校は数年前に鯖石小学校と統合しましたが、この春より複式学級のクラス編成となり2学年が一緒に授業を受けます)

卒業生の合唱に涙を流す在校生の姿がとても印象的で、いかに充実した学校生活を送っているかがよくわかります。生徒の歌声は本当に素晴らしく感激しました。

卒業生14名の素晴らしい歌声が響きました。
生徒数が減少してゆくのは残念なことですが、それ故に強い絆で結ばれているように思います。
卒業おめでとうございます

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編集後記

2人目の孫が卒園し春からは次男が1人で保育園に通うことになります。上の子がいなくなると思うとやはり心配ですが、こんな小さな子たちを上手に見て下さる先生方には改めて感謝の気持ちでいっぱいです。卒園式を後ろの方から見ていましたが、1歳児、2歳児の子たちもおとなしく座っていられるのですね。

最近のニュースで保育士さんの待遇改善についての議論がよく聞かれますが、子どもの未来は日本の未来そのものですから当然ですよね。保育士さんが不足して待機児童が沢山いるなんて大問題だと思います。

その反面、少子化で地方には子どもが少なくさみしい限りです。のんきに老後を送っている場合ではないな、と自分に言い聞かせつつも、孫と一緒にだんご作りができる幸せを実感する1日でした。

寺族 玲子

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