安住寺だより

第28号

謹賀新年 平成23年 正月


西ノ入 東海林信平氏の作品「春を待つ黒姫山」

平成22年は久しぶりの大雪にはじまり、夏の猛暑を経て、11月にはもう冬囲いも終わり越年の準備にて、あっという間の1年となりました。
振り返ると、なんとあわただしく過ごしてしまったものかと思うことしきりです。
今年からは宗務所の所長の任が解かれたこともあり、じっくりと腰を据えて山寺の和尚にもどろうかと… 少しは自由な時間も楽しみつつ、ご来山の方々とゆっくり語り合えることを喜び、積もる雪と楽しく闘いながら春を待つことにします。

しかしながら、あいかわらず世の中はよいニュースが聞こえてきません。
隣国の緊張状態は今後も続くでしょうし、もちろん我が国としても他人事ではなく、本当に心配でなりません。朝鮮半島の問題や日本と中国の関係などはおそらく今年も最大の関心事であり続けるかと思います。

さて、気になる話題が一つ。
「2003年に打ち上げられた惑星探査機はやぶさが、小惑星イトカワに到達、その表面を観測、採集し7年間、60億キロの旅を終えて地球に無事帰還。世界初の快挙」とのこと…。
限りなく広がるこの世界を思うと国同士のいざこざが耐えぬことが残念でなりません。
はやぶさの快挙に瞳を輝かせ、完成をあげる子どもたちの未来を真剣に考えなくてはいけないと思うばかりです。

▲このページのトップヘ

木喰観音さまと絵手紙

ここ数年、木喰観音さまを拝観に訪れる方が本当に多くなりました。
昨年、千葉県よりお越しの皆さんから素敵なお便りが届いたので紹介します。

とても素敵な絵手紙が届きました。
さて、安住寺の木喰仏33体は誠に残念ながら、一体を除き改刻されていますが、全国に残る様々な運命をたどった木喰仏一つ一つが今、しだいに注目を集めています。
多くの拝観者と出会い、様々なことを思いめぐらします。
木喰上人が生涯をかけて刻んだ木喰仏は長年の時を経てもなお人々の心を癒し、和ませ続けて行きます。 上人が後世に残したメッセージを私達が理解し、感じ取ることによって、この世から無益な争いがなくなれば…と願ってやみません。

升水千枝さん 素敵な絵手紙をありがとうございました。

▲このページのトップヘ

おくやみ


故・中村市郎氏
西ノ入 元「中村建設」社長

晩秋の11月12日、82歳のご生涯でした。
氏は晩年、当山の護持会役員、副檀頭をお勤めいただき、近年は開創500年大遠忌の記念事業、または中越地震、水害、中越沖地震などの復興には生業の関係から特に多大なご尽力をいただきました。
体調を壊され心配しておりました所、ご親族の必死の看護も空しく天命を全うされました。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
安住寺護持会一同

▲このページのトップヘ

「所長退任にあたって」 住職


↑任期を終えて 次期職員のみなさんと記念撮影

平成18年12月11日より新潟県第三宗務所長を拝命して早四年の任期を終えようとしています。その間、お檀家の皆様には檀務がおろそかになり大変ご迷惑をお掛けしましたが、何とか勤めを果たすことができました。厚く御礼を申し上げます。この間、若方丈も住職の代理を勤めることになり良い経験ともなりました。

思えば就任早々19年7月16日発生「中越沖地震」の救済活動には各方面からの復興ご支援をいただき、ようやくひと段落となりました。

20年10月、県内全宗務所主催の徹通禅師七百回御遠忌には団長を拝命し、道元禅師求法の聖地、中国の杭州天童寺にて法要導師を勤め、感激ひとしおとなりました。

21年度には新型インフルエンザの猛威の為、大阪での全国梅花奉詠大会が中止となり、大変なキャンセル処理等など労務となりました。6月には檀信徒研修会の「禅をきく会」に新井 満さんをお迎えして「千の風に吹かれながら このごろ考えたこと」と題して柏崎産業文化会館にて感動の大盛況となりました。10月には宗務所主催の梅花大会を、地震の被害で市民会館ホールが倒壊した為に、急遽、新管主福山諦法禅師さまにお願いして大本山永平寺にて、第13回梅花流奉詠大会を開催しました。160余名の参加をいただき、ご開山の道元禅師尊前にて開催できたことは大きな喜びでした。

22年、最終年度の檀信徒本山研修会は再三要望していた念願の大本山永平寺で坐禅堂( 衆寮・研修道場) をお借りすることが実現しました。夜坐(夜の坐禅)と暁天(朝の坐禅)を修行僧と同様にお勤めできたことに参加者全員が感動しました。その後は大本山総持寺祖院を拝登し能登沖地震の復興状態を視察し、いかにして由緒ある文化財を守るべきか、その意味を学びました。また羽咋の永光寺さまを拝登して太祖瑩山禅師さまのお墓と、発願の五老峰( 如浄禅師・道元禅師・懐奘禅師・徹通禅師・瑩山禅師の五名の祖師の供養塚) をお参りし、更に特別な許可をいただき傳燈院にて法要中の上殿拝登を許され、親しく尊像とお位牌をお参りできたことは望外の喜びとなりました。この研修により両大本山を敬う主意を共に学び、檀信徒と菩提寺の関係を更に深くより親密なものであるべきとの認識を高めていただけたかと思います。

10月26日、全国所長会主催にて韓国へ国交樹立45周年記念ということで慶州にある曹慶宗との「日韓合同平和祈念法要」に参加しました。日本から全国の所長66名とその職員、寺族等々の600名に及ぶ曹洞宗始まって以来の大イベントとなりました。もし、ひと月遅かったら北朝鮮による延坪島への爆撃でこの日韓平和法要も中止となったであろうと思うとつくづく拉致問題を始めとする北朝鮮の横暴な独裁政治を許しがたく、アジアの隣国同士がいつになったら心から平和を喜べる日が来るのだろうかと心が痛みます。 振り返ればこの任期中、管内ご寺院様、各教区護持会長、檀信徒の皆様には格段のご協力とご指導ご厚情を賜りました事、厚く御礼を申し上げます。

前所長、牧禅 一老師の方針「和衷共同」の精神には中々届きませんが、私の願いは檀信徒と地域と「共に生きる」をモットーに目指したつもりでしたが、力到らず慙愧の至りであります。皆々様方には次期新所長の龍雲寺ご住職、近藤龍法老師を始め、役職員に格段のご協力をお願い申し上げ退任の所感とさせていただきます。

▲このページのトップヘ

年の瀬を迎えて…


↑写真上:大倉清さんと「民謡清和会」の皆さん

11月8日、安住寺恒例の観音講。梅花講の鈴鉦の響きと共に法要が続き、ご先祖様に1年の感謝と報恩の供養を捧げました。続いて田島の普広寺東堂老師の法話。満面の笑みの中、楽しいお話をお聞かせいただきました。そして坐禅会会員による「おとき」の奉仕。手料理に舌鼓を打ち、お楽しみ会へと続きます。

一昨年はハーモニカの演奏会、そして今年は尺八の名手、西ノ入出身で原町在住の、大倉清さん他7 名による民謡清和会をお招きしました。話には聞いていたものの、本当に素晴らしいひと時となりました。

一年の行事が次々と終わりを告げる…残す行事はお釈迦様のお悟りを祝う成道会法要と座禅会の忘年会を残すのみとなり、時の流れの早さに戸惑うばかりの今日この頃です。
寺族  玲子

写真上:
お釈迦様「お悟りの日」
成道会(じょうどうえ)法要


写真左:坐禅会の皆さん
今年も一年間お疲れさまでした

▲このページのトップヘ

檀信徒本山研修会に参加して 宮ノ下 小山護


↑写真上:目崎伊清男さん 小山 護さん
お疲れ様でした


去る10月6日、新潟県第三宗務所主催、本山研修会に始めての参加となりました。大本山の坐禅堂で足を組み坐る。たしかに足は痛かったが荘厳な建物の中で良い体験となりました。本山を出てからは、御誕生寺、永光寺、豊財院や、能登沖地震の爪痕が残る總持寺祖院を見学し、輪島温泉にて疲れを癒しました。

一行44名は曹洞宗の名刹の数々を見学し、それぞれのお寺の由来などを聞き、歴史の重みを感じ、それを守ることの大切さを学ぶ有意義な研修会となりました。ふだんは体験できない本山の坐禅堂にて、長い歴史の中で今も変わらずに続いている修行の生活を少しだけ肌で感じることができたのは言葉で表せない感激でした。

▲このページのトップヘ