安住寺だより

第47号

昨年に続いて雪の少ない冬でした

3月初旬の西ノ入
冬の晴れ間、澄み切った空気の中で朝を迎えると・・・
かなり冷え込みますが、雪国で暮らすことの厳しさをすべて忘れさせてくれるひと時。たまにはこんな日もありますよね。

雪国に暮らすということは、毎年当然のことながら冬を迎える前にいろいろと準備をするわけですが、思いもよらず昨年に続く雪の少ない冬となりました。
いつもこれくらいなら楽なものですが・・・

「雪が少ないとわかっていれば冬囲いもしないのにね」というのが挨拶代わりでしたね。
小雪とは言っても市街地と違ってそれなりの積雪があり、みなさんがその違いに驚いていました。
高柳ガルルスキー場も三月二十日までは営業したそうです。

卒入学の季節を迎えて

鯖石小学校(平成二十四年に旧南鯖石小が統合)の卒業式の様子。大きな期待と少しの不安を背負って卒業する制服姿の六年生たち。

鯖石小学校の卒業式で
卒業生が一人ひとり堂々と想いを述べました。涙を流す在校生の姿がとても印象的。6年生が卒業して、この春より鯖石小学校は児童数が57名となりました。


年長組の2人が卒園。毎年の発表会での様子が目に浮かぶように思い出されます。とても立派になりました


南鯖石保育園は
この春は少し残念なことに、新たに入園する子がいませんでした。そのため「入園式」ではなくて「進級式」ということに・・・
しかし、かわいらしい声と笑顔は地域にとってまさしくかけがえのない宝物、未来への希望!


涅槃会(ねはんえ)だんごまき

お釈迦さまの命日を供養する法要です。
その臨終の様子を描いた絵「涅槃図(ねはんず)」を掛けて、真っ白いだんごをお供えします。
多くの人々が悲しみ、動物たちや小さな虫たち、猛獣や架空の生き物も集まり悲しんでいます。
普段は争い合う関係の生き物たちも、この時ばかりは皆一様にお釈迦さまを見つめています。
この世に生きる様々な命、その全てに対して慈悲心を持つことを説いたお釈迦さまを偲び、法要が営まれます。(安住寺では、毎年三月十五日に近い日曜を予定)
絵の中には様々なメッセージが込められており、いくつか見どころを紹介します。


仲良く寄りそう「トラ」と「ヒョウ」は、オスとメスの夫婦だと考えられていたそうです。 猛獣といえども皆一様にお釈迦さまを見つめています。 その下にはネコもいますが、普通は涅槃図にネコの姿はありません。とても珍しいことのようです


「摩耶夫人(まやふじん)」 お釈迦様のお母様です。 雲に乗って天界から薬を届けに現れた姿が描かれています。先導しているのは「阿那律尊者(あなりつそんじゃ)」


旧暦2月15日に大きな川のほとり、沙羅双樹のもとで最後の時を迎えました。


極楽浄土に棲むという空想上の鳥「迦陵頻伽」(かりょうびんが)顔は女性で体は鳥の姿、とても美しい声を発するといいます。



頭に角が一本、背中に亀の甲羅のようなものがある緑色の動物。これは何でしょう? 想像で描かれた「サイ」の姿です。日本に生息していない動物を想像で描き、霊獣化したものと考えられています。


本堂に子ども達の歓声が響きました。皆さんまた来てくださいね。


干支(えと)の動物が描かれていますが・・・
お釈迦さまの悲報を聞いた牛が頭にネズミをのせて駆けつけた。途中で色々な動物に知らせたが、ネコは昼寝をしていた。到着した時、ネズミは牛の頭から飛び降りてお釈迦さまのそばに駆け寄った。それでネズミが一番、牛が二番の順に決まった。ネコは遅れてしまった為に干支の中に入れてもらえず「顔を洗って出直して来い」と言われ今でも前足で顔を洗っている・・・
という落語のようなお話しを聞いたことがありませんか? また諸説あって、この絵にはネコは描かないことになっていますが、よく見るとかわいらしいネコの姿があります。探してみてください。
毎年3月の15日に近い日曜日を予定していますので、ぜひお参りください。

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本堂玄関の土台を改修

以前よりシロアリ被害が確認されており心配していた土台部分を改修。作業が始まると、想像していたよりも被害が深刻で大掛かりな工事となりました。

改修工事
境内の残雪もあとわずかの4月中旬、玄関土台と柱の一部を交換。この日はとても冷え込みました。想像よりも被害は拡大しており棟梁さんも苦笑い。
寒い中の作業、ありがとうございました。

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護持会よりご報告 「平成二十九年度 護持会総会」

昨年度決算報告並びに平成二十九年度予算案を審議いたしました。
檀信徒の皆様方におかれましては、別紙にてご確認をいただきまして、今年度の活動及び護持会費の納入についてご協力いただけますよう、宜しくお願い致します。
また長年、小山貞雄さんと村山貞和さんに岡田地区の役員代表としてお勤めいただきましたが退任され、このたびより小山常男さんが新たに就任。また寄合地区出身の矢沢秀吉さんに代わって矢沢萬壽幸さんがそれぞれ新たに就任されたことをご報告致します。
護持会長 小山 護

新たに就任された小山常男さんと矢沢萬壽幸さんは偶然にも同級生で、久しぶりの再会となったそうです。宜しくお願い致します。

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降誕会(ごうたんえ)のお知らせ

お釈迦さまの誕生日
お釈迦様は4月8日が誕生日ですが、安住寺では月遅れ5月8日にお参りします。
小さな「花御堂」(はなみどう)のお釈迦さまに頭上より甘茶をそそぎ、誕生をお祝いします。

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安住寺 「大般若(だいはんにゃ)法要(ほうよう)」のお誘い

安住寺の恒例行事、大般若法要を6月25日(日)に行います。
「大般若法要」は、諸災消滅・病気平癒・五穀豊穣などを祈願して行われます。
法要の前に散華(さんげ=仏前で花を散らし仏を供養すること)と言って蓮弁の形に切られた紙を撒きながら一周して道場を浄めます。
 全部で600巻もある長いお経「大般若経」を大勢の僧侶がいっせいに勢いよくパラパラと繰って偈文を唱えます。これを「転読(てんどく)」といいます。

今から1300年以上前に中国(唐の国)の玄奘三蔵法師(げんじょうさんぞうほうし)という僧侶が16年の間旅をしてインド(天竺)から持ち帰り、その後4年を費やして翻訳(漢訳)したという6百巻の大全集です。

内容は、「般若波羅密」と訳される「悟りに至る智恵」を説く諸経典を集成したもので、「色即是空 空即是色」、一切の存在はすべて空であるという空思想を説いているとされています。

有名な中国の古典小説「西遊記(さいゆうき)」に登場する主人公の三蔵法師が、孫悟空、猪八戒、沙悟浄といった護衛に守られて天竺まで困難な旅をし、長い旅の果てにありがたい経典を取得するというお話。皆さん、子供のころから一度は耳にしたことがありますよね。

大般若経の存在が示すのは、「西遊記」は架空のお話しでは無く、ある程度の事実を基にした物語であるということ。三蔵法師が、今から約1300年前に困難な旅の末に天竺から持ち帰ったありがたい経典が、今この日本に伝わり残っている。そして今なお、強い信仰が寄せられているということです。年に一度の法要ですので、皆さんぜひお参り下さい。


大般若法要(だいはんにゃほうよう)
日時 6月25日(日) 9時半より受付
内容 法話と法要後、お斎
場所 安住寺
申込 お近くの役員さんへお伝え下さい(もしくは寺まで 0257-27-2041)

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編集後記

寺族 玲子

だんごまきと春彼岸が過ぎると、ようやく雪国にも春がきたことを実感します。
昔からだんご作りは巨大な鍋を使っていますが、なかなか大変な重労働に思えてきました。いつしか私は見ているだけに・・・
ベテランの皆さんは相変わらず見事な腕前で作業は終了。片付けも終り、お茶の時間になると、そこに保育園から孫が帰宅。だんご作りを楽しみにしていたらしく、泣いて怒るので代わりに孫とホットケーキ作りを楽しみました。まぁそんな至福のひと時を過ごしつつも、いずれあっという間に成長して年寄りは相手にしてもらえなくなるのかしら? そんなことを何となく想像しながら春を待つ慌ただしい一日となりました。

新しい生活がスタートする皆さんのご多幸を祈念いたします。

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