安住寺だより

第52号

謹賀新年

新年を迎え、今年が皆様にとって良い年となることをご祈念いたします。
平成三十一年 元旦

平成 「国の内外、天地とも平和が達成される」

平成の世も、残りあとわずかとなりました。

平成最後の除夜の鐘をつき、正月を迎えました。この三十年間を皆さまがそれぞれの思いで振り返っていることでしょう。

さて、江戸後期以来、約二百年ぶりとなる天皇陛下の譲位が決定し、間もなく新しい元号が発表されますね。

文明国の証として日本独自の元号を使うように定めたのは「大化の改新」に向かうころ、645年の孝徳天皇の時代に初めて「大化」という元号でスタート。

大化元年を起点とする日本の元号は、その後に、江戸時代の最後の元号「慶応」まで、なんと243回も改元されているそうです。平均すると、ひとつの元号あたりわずか5年くらいという計算になります。

改元が行われるのは、天皇の代替わりなどの慶事はもちろん、国の繁栄や人々の平安を願って行うものだそうで、めでたいことがあったとき(瑞祥改元)、大地震や大火、疫病の流行などがあったとき(変異改元)、または、世間の人心を一新したいときなどに改元を繰り返してきたそうです。さらに江戸時代には、将軍の代替わりでも改元しているなど様々です。

平成元年の当時、私はまだ中学生でした。この三十年間だけを考えてみても政治、経済、社会情勢、戦争、自然環境、国内外で本当に様々なことが起こったと思います。

もし子どもに「平成って、どんな時代だったの?」と聞かれたら、とても一言では語れませんね。
今年の五月に新しい元号へと改まるとともに気分も一新、新しい時代、より良い時代を築いていきたいものです。

祝 柏崎農協「第9回 お米の食味コンテスト」高柳 板畑地区 中村 稔さんが最優秀賞!

数多くの項目で審査の結果、見事に最優秀賞を受賞!
上位は僅差で、最終的には「ふっくらとした炊き上がり、タンパク質の含有量」が決め手になったそうです。
昨年の猛暑にも負けない板畑地区の豊かな自然。
中村 稔さん おめでとうございます。

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旅のお誘い 団体参拝旅行 柏刈・小国寺院主催「仙台名勝地巡りと秋保温泉の旅」

日 程
6月17日(月)~18日(火)
旅 費
37,000円
申込み
安住寺に電話で ℡ 0257-27-2041
皆様のご参加をお待ちしております。
仙台藩 伊達家建立「仙台の東照宮」

「仙台の東照宮」は、1654年(承応3)、仙台藩の初代藩主伊達政宗公の世継ぎである2代藩主伊達忠宗公によって創建されました。伊達政宗公の没後、仙台藩の領内では大火、大洪水等の災害が続き、仙台藩の財政は重大な危機に陥りました。しかし幕府の物心両面の援助により危機を脱し、基本的な体制を確立することができました。 このような背景から忠宗公は、徳川家に対する尊崇・感謝の標として、1649年(慶安2)に時の将軍徳川家光公に東照宮創建を願い出て直々に許可を得て建立されました。

伊達家の廟所、史跡「経ヶ峯 伊達家墓所」

史跡「経ヶ峯伊達家墓所」は、伊達家の霊域として長年禁断の地であったため、藩政時代そのままの自然環境が現在まで維持され、動植物の生態にも見るべきものがあります。

また境内には伊達家の石高をあらわしたと伝えられる62段の参道や、重臣が奉納した石灯籠、戊辰関係の碑等の遺構が保存され、市内屈指の史跡とされています。

かつて戦火により焼失し、復元される際に発掘調査が行われ、三藩主の完全な遺骨とともに、武具、文具類等数多くの副葬品が発見されました。

これらの品々はその使用年代が明確である点からも我が国の文化史上、貴重な遺品であり、その多くを資料館にて見学することができます。

「輪王寺の禅庭園」は東北有数の名園として知られる回遊式の美しい日本庭園です。新緑に包まれた春から夏にかけ、サクラ、ツツジ、サツキ、アヤメ、アジサイなどが鮮やかに彩りを添え、秋は華やかな紅葉が心を和ませます。四季を通して自然の美しさが異なる趣を放ち、深い安らぎを与えてくれます。
二つの清流に恵まれた緑豊かな峡谷。竹鶴政孝が築いた「ニッカウヰスキー宮城峡蒸留所」を見学します。

最近の気になる話題 裏山を見上げて思うこと

「森林経営管理法」とは?
昨年のたよりで、西ノ入の杉がオリンピックの選手村で活用されることや、山林の木材利用、林業についての話を掲載し、数名の方とその話題になりました。 さて、「森林経営管理法」「森林環境税」についてご存知ですか? 市議会議員の村田幸多朗さんが質問した際の回答が市議会だよりに掲載されていたので、ご覧になった人も多いかと思います。 国土の環境保全のために森林を管理し、人材の育成をする財源として創設されました。 森林環境税は住民税に千円を上乗せして徴収。市町村に配分する予定。年間620億円の財源になる計算。
「森林バンク」とは?
人工林を保全する新事業「森林バンク」という制度も始まります。 放置された山林を市町村が集約し、林業経営者に貸し出す新たな制度が「森林バンク」です。 所有者がわからない森林は市町村が直接管理。 間伐も適切に進め環境保全や防災へとつながるよう、効率化を図ります。 森林バンクを機能させるには、森林の所有者を特定し境界を明確にすることが必要で課題は山積みですが、林野庁は、所有者の申告や地籍調査などにもとづく「林地台帳」を来年度中に作成し、「森林バンク」にかかる必要な財源は森林環境税が使われるそうです。
国内の森林のこれまでと現状
国内の森林は、戦争中に乱伐されたことにより一度は荒野に。しかし戦後の復興を見込んで大量に植林され、森林は国土の約7割ほどになりました。 実際に木材の需要が急増して木材価格は高騰。 政府は拡大造林政策に取り掛かります。
木材価格の低迷
しかし昭和三十年代から木材輸入の自由化が始まると、国産材の価格は下がり日本での林業経営は難しくなりました。 新たな法案が可決 そこで総務省は木材価格の低迷や所有者不明の森林の増加で「森林管理に限界がある」と考え、森林環境税の必要性を強調しています。

少し明るいニュースも!?

「木材の輸出が高水準に海外で増える木材の需要」(平成三十年一月 日本経済新聞より)
「木材の輸出が四十年ぶりに高水準となった。 国産材の需要が中国の他、アジアで増えている。 輸出額の4割が中国で、杉丸太の需要が旺盛。 工業製品の運搬や梱包材に使用。韓国には香の強いヒノキが人気で、米国では住宅フェンス用に杉が好まれる。輸出増の背景には競合するニュージーランド材や、環境規制が強化された北米材等、世界的な木材の価格高騰が主な理由。」 植林後に放置された山を見るたびに寂しい気持ちがします。安住寺も山林をたくさん所有しているので、このたびの新たな政策が上手く機能して林業が活性化することに期待したいです。 また、採算が合わない、管理することが現実的でないと判断された山林は「自然林に戻す」ことも検討するそうです。いろいろと課題が山積みなのも確かですが、私たちのふるさと、里山の風景を美しく保っていけたら・・・ と願っています。

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東堂の近況報告

黄昏て 掃き終え迎えん 師走かな

今年も残りわずか。皆様にはどんな一年でしたか?
私は昨年夏に腰を痛めましたが(脊柱管狭窄症)なんとか持ち直し住職の補佐ができるようになり喜んでいます。
今は老妻と車での小旅行が唯一の楽しみでもあります。

今年の猛暑もさほど感じなく過ごせたのも幸いでしたが、真夏の午後の水撒きは大変に苦労させられました。
また晩秋の庭の落ち葉掃きもこれまた大変。汗をかきかき一回り。安堵するも一夜の風で元の木阿弥、あちゃ~残念。
明日からまた頑張ろうと腰をかばっての湿布三昧。

門前のお爺さんいわく「朝起きて足腰が痛く歩くのもままならないが、少し仕事を始めると何となく昔の様に動けるから不思議だね」と言ったのを思い出し、自分がまさにその通りの体になったことを知らされました。

スーパーの買い物や、美術館でのゆったりした歩きがどうも苦手。のろのろ歩くと足が前に進まなくなり、いやな神経性の痛みが始まります。朝晩の痛み止め薬で何とかやり過ごしていますが、この症状を「間欠性跛行」と言うらしい。でも好きな庭の手入れや掃除は昼飯の合図を貰うまで足腰の痛みも忘れて不思議に続けることができます。

夕方の一番風呂を頂くことに幸せを感じ、まさに至福の一時となります。先の句の如く、掃き終えての感は、今年も何とか老妻の玲子と二人三脚で小言を言いながらも楽しく庭の掃除ができたことに喜び、来年もまた同じように掃除ができればいいねと語り合い、年の瀬を迎えた次第であります。

檀信徒の皆々様のご多幸を祈念いたします。

平成三十年 師走  東堂 薩美帰一

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新春の行事予定

涅槃会(ねはんえ)(だんごまき)
三月十七日(日)
午後一時半より法要・だんごまき
(二月十五日はお釈迦様の命日です。安住寺では毎年三月十五日に近い日曜を予定)
春の彼岸(ひがん)法要(ほうよう)
三月二十一日(木)春分の日
先祖供養・年回法要
午前十時より法要・おとき
(とうば供養をご希望の方は連絡ください)

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編集後記

過去の元号を調べていると面白い元号がありました。なんと「養老」(奈良時代717年~724年)
当時の元正天皇が現在の岐阜県養老町を訪れた時、温泉の泉質に感心されて改元したそうです。
つまり「肌がすべすべになったので、養老元年!」
何となく遊び心を感じますね。一年間を振り返りつつ、大急ぎで正月の準備をしていると、みぞれ交じりの雨から雪へ。今年もあとわずかに・・・。
新しい元号は? 新しい時代はどのように移り変わっていくのでしょうか?

小学校で、子どもたちが新しい元号を考えるのが流行っているようです。「平成」に込められた「世界の平和」が本当に達成されるような、すばらしい未来を夢見てより良い世の中を願っていますが、自分に何ができるだろう? とりあえずPTAの仕事をがんばります。

皆さま、本年も宜しくお願い致します。

寺族 舞

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