安住寺だより

第50号

各地で大雪となりましたが

連日の大雪のニュースも懐かしく感じるほどに、ようやく春が来ました。この冬は多くの方々から心配をいただきましたが、本来ここは豪雪地帯。心配ありません。

3月初旬の西ノ入

厳しい冬の間にも、その苦労をすべて忘れることのできる様な朝。
澄み渡った空気により、鮮やかな空の青さと雪の白さがとてもきれい。
その代わりにかなり冷え込みますね。

この地域では最高でも2メートルを超えたくらいですので、積雪量としては大したことはありません。しかし普通は降らない地域で雪が積もるのは困ったものです。
柏崎も市街地では大変な騒ぎでした。
道路の除雪が間に合わなくなり、路線バスも終日運休になるほどでした。
路線バスが運休すると小学校が臨時休校になってしまいます。旧南鯖石小学校はすでに鯖石小学校に統合しているので「バス通学」なのです。
私の子ども時代とくらべても大きく違います。
一晩で人の背丈を越えるほど積もったり、それを喜んで雪まみれになって登校したり、それも今では楽しい思い出です。しかし今では「大雪のため臨時休校」に。雪国なのに、しかも豪雪地帯なのに。なんだか複雑な気持ちです。

西ノ入バス停
国道沿いのバス停ですが、もう少しで完全に埋まりそう。除雪作業の大変さがよくわかります。

▲このページのトップヘ

高柳の「おひなさま通り」

毎年楽しみにしている高柳地区の雪まつりに出かけた際、近所の通りにて「おひなさま通り」が開催中でした。
町内の店舗いたるところで様々なひな人形が展示されています。

大正時代のひな人形
「おひなさま通り」は町内の女性有志の集い「もんぺこ」が主催し、昨年に続き2回目の開催。
町内の家々にあったひな飾りや、子どもたちによる手作りの人形も各所で展示され、道行く人を楽しませてくれます。
上の写真は大正時代より伝わるひな人形(吉田屋店舗内にて展示)
雪まつりに仮面ライダーが登場

▲このページのトップヘ

雪割草

宮ノ下、矢代富郎さんよりたくさんの雪割草を頂きました。境内裏山のできるだけ急斜面で水はけの良い所に植えるのがいいだろう。とのことで、場所を思案中です。さて、うまく根付いて増えるかどうか。 大切にいたします。どうもありがとうございました。

お釈迦さまの誕生日

お釈迦様は4月8日が誕生日ですが、安住寺では月遅れ5月8日にお参りします。 小さな「花御堂」(はなみどう)のお釈迦さまに頭上より甘茶をそそぎ、誕生をお祝いします。

▲このページのトップヘ

卒入学の季節

なんとも美しい桜色に染まった糸で織られた着物があります。人間国宝の染色家、志村ふくみさんの作品です。

志村さんはその美しい桜色の染料を作るために、花びらを使ってみたそうですがどんなに試しても桜色にはならなかったそうです。試行錯誤の末に樹皮の部分を使うと、あの美しい桜色の染料がついに完成したそうです。真っ黒くて、ざらざら、ごつごつとした桜の樹皮から淡いピンク色ができるとは、とても驚きますよね。中学校の国語の教科書に掲載されていたお話しです。

先日小学校の卒業式で、校長先生がそのお話に触れ、「誰が見ているわけでもなく、誰に褒められるわけでもなく、人知れず努力を重ね、美しい花を咲かせて人々を喜ばせてくれている。皆さんもそんな人間に成長していってほしい」と卒業生に祝辞を述べました。

暑い夏にも、寒い冬にも耐えて美しい花を咲かせる春のひと時。私たちはお花見に行くと花だけに目がいきますが樹木全身で咲かせていたピンク色だったのですね。

ちなみに、一年中、どの季節でもその色がとれるわけではないそうです。桜の花が咲く直前のころ山へ行って樹皮をもらってきて染めることによって素晴らしい色になるそうです。一年間の努力の集大成というところでしょうか。春、新しい生活が始まる皆さんのご多幸を祈念いたします。

鯖石小学校の卒業式
卒業生がそれぞれの思いを堂々と述べました。
南鯖石保育園の卒園式
年長組4人が卒園。残念ながら新たに入園する子がいませんでした。

▲このページのトップヘ

涅槃会(ねはんえ)だんごまき

お釈迦さまの命日を供養する法要です。
その臨終の様子を描いた絵「涅槃図(ねはんず)」を掛けて、真っ白いだんごをお供えします。
(安住寺では、毎年3月15日に近い日曜を予定)

法要後のだんごまきは毎年大騒ぎになります。少し落ち着いて記念撮影。皆さん来年も来てくださいね。

▲このページのトップヘ

編集後記

「暑さ寒さも彼岸まで」長い冬が終わりに近づき、雪が降りやむとようやく新しい年を迎える気持ちになれますね。境内はまだまだ残雪が残りますが、ときおり暖かな春の日差しを感じることもできるようになりました。

春彼岸の中日、法要とお食事の準備を孫たちがお手伝いしてくれます。

普段はよくけんかしているのに、めずらしく協力し合う兄と弟。今まではお手伝いどころか邪魔になっていたこともありましたが、互いに影響を及ぼし合いながら少しずつ成長するのですね。もしかしたらこの子達の頭の中には「ごほうび」がちらついているのでしょうか?

しかしほほえましい光景は長くは続きません。「兄ちゃんがこぼしたよ!」「おまえのせいだ!」けんかが始まります。そのとなりでひたすら黙々とゴマをする長女が一言、「男ってばかだねぇ」まぁ予想通りの展開を見つつも、無事に迎えることができた春彼岸法要でした。新しい生活がスタートする皆さんのご多幸を祈念いたします。

寺族 玲子

▲このページのトップヘ